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鉛の調整方法の実践講座! 自分の感覚に合うクラブならばスイングも簡単に改善できる!!

このブログでは、鉛を使用したクラブの調整方法を説明していますが、まだまだ説明不足なので、具体的な効果を実感できていない人も多いと思います。

しかしコツさえつかめれば、今までとは次元が違うくらいに、自分のクラブのフィーリングを改善することができるようになります。

そのコツをつかめるように、これからも説明を続けていく予定なので、皆さんもすぐには諦めずに、鉛を使用したクラブの調整方法にトライして欲しいと思います。

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鉛の調整方法の手順を説明します

今回説明したいのは、クラブを鉛で調整する時の手順と考え方です。

打ちにくかったクラブを、どのような手順で鉛の調整を進めるべきなのか?

そんな点を、具体的な手順を示して説明していきます。

 

苦手なクラブに魔法をかけて打ちやすくする方法!

今まで避けていた苦手なクラブに挑戦

僕の奥さんはベストスコア71の腕前なのに、フェアウェイウッドが苦手で、普段のラウンドでは使用していません。

その理由としては、シャフトが長いので打ちにくい、シャローヘッドの見た目が苦手、ライ角が寝ていることが苦手、などがあり、練習場のマットからではダフッてばかりで番手なりの距離が出ず、コースでも精度が低いわりには飛距離を稼げるわけではないので、無理に使用することはなかったのです。

ベストスコアを出した時も、ドライバーの次に使用した長いクラブと言えば、40インチで20°のユーティリティ。

実力以上にセカンドショットの距離を狙うよりも、『 確実に攻める 』という戦略だったのです。

しかしそろそろセカンドショットの距離をもっと伸ばしてみたくなったので、久々にフェアウェイウッドに挑戦することになりました。

そのクラブ選択と調整方法を説明します。

 

アダムスTIGHT LIES ビックハイブリッド 3番14°を鉛で調整

今回選択したのはアダムスのフェアウェイウッドです。

正式なネーミングはビックハイブリッドになっていますか、見た目では完全にフェアウェイウッド。

このクラブを選択した理由は、アダムスのクラブが打ちやすくて、意外に打感もよいことを知っていて、見た目も小ぶりだったので、シャローな形状でもそれほど違和感はありません。

そしてなによりも、近所のゴルフパートナーで、まるで新品同様なのに2,000円で販売されていたので、お試しするにはちょうどよかったのです。

このクラブをどのようにして打ちやすくしていくのか、推奨する手法を説明しましょう。

 

■ クラブスペック

ロフト角 : 14°

ライ角 : 58.5°

ヘッド体積 : 136cc

シャフト長さ : 42.5インチ

フレックス : S ( 純正シャフト )

シャフト重量 : 54g

トルク : 3.9

クラブ重量 : 310g

 

このように、ロフト角は3番ウッド相当ですが、ライ角、ヘッド体積、シャフトの長さは5~7番ウッドに相当する、なかなかよい所を突いたセッティングになっています。

この辺のセンスを、是非国内メーカーも見習ってほしいと思います。

ただし、このクラブ重量は軽すぎるはず。

 

調整方法の手順

調整に対する考え方

僕の奥さんは少し特殊なゴルファーで、ティアップからならば、どんなにハードスペックでも、逆にどんなにアンダースペックでも、そして自分の感覚に合わなくても、ある程度はうまく打つことができます。

ところがセカンドショットの場合、特に練習場のマットの上では、少しでも自分の感覚に合わないクラブだと、全然うまく打てません。

でも本人の感覚に合わせることができれば、多少スペックが外れていても、うまく打てるようになるのです。

そのためには、徹底的に本人の感覚に合うように、僕が鉛で調整していくことになります。

あえて打ち方をクラブに合わせるようなことはせずに、自分の打ち方のままでうまく打てるようになるまで調整します。

そしてそれでもダメな場合は、そのクラブは諦めることになります。

その手順を説明しましょう。

 

第1ステップ

まずはそのままの状態で打ってみます。

ティアップから打ってみると、素晴らしい弾道と飛距離です。

14°なので、ドライバーは要らないんじゃないかと思うほどのキャリーが出ました。

ただし、安定性は今一つ。

次にマットの上から打ってみると、ダフりが多めで、カット軌道になりやすく、ボールの高さも不足しています。

つまり、ラウンドでは使えないレベル。

本人のインプレッションは、「 ティアップからなら打感もよく、振りやすいけれど、軽くて少し柔らかい感じ。

シャフトの動きは感じるし、ヘッドの位置も分かりやすい 」とのことでした。

見た目からも振りやすいのは分かりましたが、明らかに軽そうでした。

ただしトルクが3.9ということもあり、それほど柔らかくは見えず、それよりもシャフトの撓り方が合わないように見えました。

 

第2ステップ

チップ側に鉛を巻く

本人が柔らかく感じているので、まずはその対策から始めます。

柔らかすぎる場合に最近多用しているのは、『 チップ巻き 』と呼んでいる、チップ側に巻く方法です。

まずはシワができないように、ピタッと一巻きしてみました。

それをティアップから打ってもらうと、狙いよりも少し右方向に強い当たりが出るようになりましたが、あまりよいフィーリングではありません。

そしてマットからは、鉛を貼る前よりもうまく打てなくなりました。

そこで今度は、鉛のテープをシワができるように緩めに巻いてみましたが、多少はよくなったものの、その傾向は変わらず。

その結果からこのシャフトには、チップカットのような効果が得られる方法である、チップ側に巻く貼り方は合わない、という結論になり、チップ側に巻いた鉛は外しました。

やはりこのクラブの場合は、シャフトが柔らかすぎるというよりも、撓り方、キックポイントが合わないのだと思います。

 

第3ステップ

バット側に鉛を巻く

次に、グリップのすぐ下側のバット側に一巻きしてみました。

この貼り方の目的は、「 重量が軽く感じるけれど、スイング中のヘッドの存在感はある 」とのことだったので、ヘッドに貼るよりも前にバット側に貼った方がよいと判断。

そしてこの貼り方は、シャフトを短くすることと似たような効果も得ることができます。

僕の奥さんは短いシャフトが好みなので、本来ならこのクラブも0.5~1インチくらいシャフトをカットしたいのですが、今回は鉛の貼り方だけでカバーする作戦なので、この方法を選択しました。

もしヘッドの動きを感じづらい場合は、余計に感じなくなりますが、このクラブはヘッドの動きは十分に感じられるということなので、こんな場合はバット側に巻く方法が有効です。

今回はピタッと一巻きです。

この方法の狙いを簡単に言えば、バットカット、つまりシャフトをカットして短尺化するような効果を得ること。

第2ステップで紹介した、チップ側に貼ってチップカットのような効果を狙う方法とは対極になりますが、どちらの方法も重量感を増すことができます。

この貼り方で打ってもらうと、ティアップはよいボールが多く出るようになりました。

マットからは、貼る前よりも打ちやすくなりましたが、まだまだ不十分です。

 

第4ステップ

シャフトの中間部に鉛を巻く

次の手順は、シャフトの中間部に鉛を巻いて、撓り方、キックポイントを変更する方法です。

スイングを見ている印象では、シャフトの中央よりもヘッド側 ( チップ側 ) に巻いたほうが、好みの撓り方になるように見えましたが、念のためにその逆のグリップ側から試してみます。

グリップの下側から5cmくらいに一巻きすることから始めて、本人に打ってもらいながら、5cmくらいの移動量で徐々にヘッド側に移り、うまく打てる場所がどこなのかを探ります。

その結果で決まったのが、写真の位置です。

少しシワができるように巻いてあります。

本人の感覚も、見た目のシャフトの動きもよくなって、ティアップからはほぼ満足するレベルになりました。

マットからもだいぶうまく打てるようになり、これならばラウンドでも試してみようかと言うレベル。

ちなみに、うまく打てるようになる場所が見つかったら、もっと完璧を目指して、鉛の位置をテープの幅の分だけ微妙に上下に移動させてみて、本人の感覚とボールの質を確かめてから最終的な位置を決めます。

 

第5ステップ

ヘッドのソール側に鉛を貼る

次は最も一般的な貼り方である、ソールに鉛を貼ってみます。

もう少しヘッドを感じたい場合や、もっと捕まるように、もっと引っ掛からないように、もっとボールが上がるように、などと狙いは様々。

しかし以前から説明しているように、貼る位置と得られる効果については、一般論は忘れて、常識には縛られずに、あくまでも自分の感覚を信じて貼ってみて下さい。

今回の場合は、いろんな場所に、いろんな重さで貼ってみましたが、どれもよい効果がなかったので、ソール側は貼らないことになりました。

おそらくこのヘッドは、これ以上に低重心化する必要がないのでしょう。

 

第6ステップ

ヘッドのクラウン側に貼る

このブログでは『 ルーク貼り 』と呼んでいる独特の貼り方。

かなりの確率でよい効果が得られますが、その効果の素晴らしさを感じるためにも、これまでに説明した手順を進んでもらいたいと思います。

ただし、鉛の調整方法に慣れてきたり、すでによいレベルまで自分に合っているクラブを調整する場合ならば、最初に『 ルーク貼り 』を試してみてもよいでしょう。

この貼り方も、固定観念は持たずに、いろんな場所を試します。

その結果として決まったのが、写真の位置です。

マットから打ってみると、「 来た~!!」というくらい、突然うまく打てるようになりました。

14°なのに、ボールの高さも十分に上がり、ダフりやカット軌道は見事に抑えられています。

ティアップでも打ちやすく、少し捕まり気味になりましたがそれは許容範囲で、そして今回のクラブはセカンドショット優先なので、このセッティングで決まりです。

ゴルフ業界が好んでいる低重心化ですが、おそらくほとんどのクラブが「 行きすぎている 」状態なので、そんな場合は『 ルーク貼り 』がとても有効なのです。

 

第7ステップ

ラウンドで試す

ここまで仕上げてきたクラブを、実際のラウンドで使用してみました。

ティアップでは、やはりよく捕まって狙いよりも少し左に行きますが、弾道、ボールの質ともに良好で、ドライバー並みの素晴らしい飛距離性能でした。

セカンドショットでも非常に好感触で、過去最高のセカンドショットが打てました。

ただし、やはり少し軽いという感覚とロフト角の影響もあって、左下がりでうまく打つことは難しそうですが、ライを選べば大きな戦力になりそうです。

欲を言えば、同じような特性を持つ、あと5g重いシャフトを見つけてリシャフトするならば、もっと完璧に近づけることができそうです。

 

今回のまとめ

本人の感覚にあまり合わない、そして苦手とするクラブの調整方法、いかがだったでしょうか?

調整においての考え方と手順を、少しはイメージできたと思います。

もちろん何よりも経験を積むことが重要で、あまり焦らずに、根気よく臨むことも必要です。

そんな手間をかけたとしても、得られる効果は絶大であり、うまく決まれば週一の練習でも毎回同じ感覚で打てるようになります。

そしてなによりも、自分の目指しているスイングの実現を助けてくれる効果も得られるのです。

自分が目指すスイングにたどり着くためには、「 スイング5割、クラブ5割 」の比重で臨めるならば、とてもスムーズにその道を進むことができるでしょう。

スイングばかりに悩まずに、クラブの力も借りて、効率よくステップアップを目指して下さい。

 

今回の内容を基にして、【 鉛の調整 】の記事を読んでもらえれば、もっと理解が深まると思います。

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